大城太x内藤忍対談


大城太スペシャル対談ページへようこそ!


大城太がナビゲートする「お金術」トーク対談。
今回は金融のスペシャリストとして輝かしいキャリアを積んでこられた
内藤忍先生をゲストとしてお迎えし、内藤先生のご著書をもとに
「賢いお金の増やし方」についてのアドバイスをたっぷりと伺いました。

<今回の対談でご紹介する内藤忍先生の著書>

内藤忍先生の30冊以上の著書の中から、今回の対談では新刊の2冊を内藤先生ご自身に解説していただきました。13万部超えのベストセラー『内藤忍の資産設計塾』も必読!

二択だからすぐわかるお金の増やし方50初めての人のための資産運用ガイド 内藤忍の資産設計塾


 

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第一部

<資産運用ガイド>

大城  こんにちは。大城太でございます。このたび『世界最強! 華僑のお金術』(集英社)の出版を記念しまして、内藤忍先生と対談させていただけることになりました。本日は内藤先生がオーナーをしていらっしゃる銀座の「SHINOBY’S BAR」というお店にお邪魔しております。内藤先生、よろしくお願いします。

内藤  よろしくお願いします。

大城  内藤先生をご存じの方はたくさんいらっしゃると思うんですが、ご存じない方のためにですね、ザクッと内藤先生のほうから自己紹介していただきたいんですが、東京大学ご卒業ということで。

内藤  すごい前の話ですけどね(笑)。

大城  内藤先生はスーパーエリートでいらっしゃいますので、成り上がり華僑とは全く違うことを今日は教えていただけると思うんで。では自己紹介、よろしくお願いします。

内藤  はい。資産デザイン研究所の内藤と言います。よろしくお願いします。私、昔は銀行員をやってまして、その後、投資顧問会社、ネット証券、マネックス証券の創立なんかをやりまして、その後、マネックス・ユニバーシティという投資教育の会社を立ち上げたりして。で、クレディ・スイスでプライベートバンクの仕事をした後、3年前に資産デザイン研究所という会社を作って、今は、個人投資家の方の投資の啓蒙活動ということでセミナーをやったり、書籍を書いたり、メルマガを出したり、こういった活動をやっております。

大城  ありがとうございます。先生は著書も30冊以上書かれてまして、内藤忍先生というと『資産設計塾』という13万部以上売れた本が有名なんですが。やっぱりずっと、大学出られてからですね、金融畑を歩いてこられたと。で、今日は先生のたくさんある著書の中でも新しい本、2冊をですね、こちらのほうは最新刊で、この3月に出版されたところで。

内藤  出たばっかりですね。

 

▶︎『内藤忍の資産設計塾【第4版】』
http://www.amazon.co.jp/dp/4426118670

 

▶︎『10万円から始める! 初めての人のための資産運用ガイド』
http://www.amazon.co.jp/dp/B010DNSZP0

 

▶︎『二択だからすぐわかるお金の増やし方50』
http://www.amazon.co.jp/50/dp/4047319678

 

大城  これを解説していただくということで、皆さま、かなりお得かと思います。ご著書『初めての人のための資産運用ガイド』で先生も書かれてるんですが「他の専門家とは大きく異なります」と。イギリスの年金運用の手法をベースにした、誰でも再現できる方法と。大体、日本にある書籍とか、資産運用っていうと、いわゆるウォール街、アメリカですよね。イギリスと言ったらシティ・オブ・ロンドンしか私はちょっと分からないんですけれども、イギリスというのはちょっと違うんでしょうか。

内藤  そうですね。イギリスの中で年金運用っていうのは、昔はイギリスは「ゆりかごから墓場まで」っていうことで非常に社会福祉が手厚かったんですけれども、そのイギリスの年金運用の専門にやっている会社がありまして、そこに私、ファンドマネージャーで仕事していた時期がありまして。
ウォール街っていうと、どちらかというと短期的にこうね、投機的に利益を上げていく投資銀行みたいなイメージがあるんですけれども、年金運用の仕事なんで、どちらかというと、10年、20年単位で資産を増やしていくという。で、このやり方っていうのは、今はだいぶん日本でも普及しましたけれども、当時は日本でもまだそんな考え方は全く浸透していなかったので、そこの会社で仕事をしているうちに、これは日本人の資産運用に絶対に必要な方法だなと。
で、その考え方がベースになって、先ほどちょっとご紹介いただいた『資産設計塾』って本が2005年ですね。で、そこでアセット・アロケーションっていう考え方を初めて提唱したら、皆さんにかなりご支持をいただいて、そこから私の資産運用の、そういう書籍を書くっていうのが始まったんですね。

大城  そうですね。アセット・アロケーションっていうのは先生が、日本では多分いちばん最初に提唱されたと思うんですが、それは後ほどお聞きしたいと思うんですが、ご著書のほうからですね、非常にベタなんですけども、私がちょっとお聞きしたい所をピックアップしてきたんですけども。

内藤  すごいですね。折り目、付きまくってますね。

大城  そうなんですよ。そこの質問から。

内藤  はい、どうぞ。

大城  どんどんさせていただいて。レジュメがないんで。

内藤  どんどん聞いてください。はい、フリートークでね。

大城  もう本当、全部ご紹介したいところなんですが、全部知りたい方は本を買ってください。まずその前に、やっぱり『資産設計塾』はベースとして絶対買っていただきたいと私も思っていますんで、はい。よろしくお願いいたします。
最初のほうに、こちらですね。『初めての人のための資産運用ガイド』のほうに出てくる預金、保険、年金は安全ではなく、実は危険という、非常に面白いといいますか、え?って思う方が多いかと思うんですが。

内藤  そうですね。実は今、日本国内で金融のすごいバブルが起きててですね、で、日本人の人に「今、すごいバブルなんだよ」って言うと「今、何のバブルがあるんですか?」と。東京の不動産がすごい上がってね、オリンピックブームで、東京の不動産バブルですかって言う人が多いんですけど、実は一番バブってるのは国債なんですよね。

大城  国債ですか。

内藤  国債って今、マイナス金利になって。

大城  マイナスですね。

内藤  日銀の金融緩和が行われていて、かつ、日銀が国債を市場でどんどん買い上げて、買い上げるってことは価格が上がって、債権って価格が上がると金利が下がるんで、金利がマイナスになってるっていうことは、価格がすごい上がってるっていうことになるわけですね。
ですから、実は国債が今すごいバブルになっているっていうのが私の捉え方なんですけれども、じゃあその国債、誰が買ってるんですかっていうと、もちろん日銀も今買ってるんですが、実は皆さんが預貯金で銀行に預けたり、年金の掛け金を払ったり、保険会社に保険金払ったりすると、掛け金ですね。そのお金っていうのは、彼らも預かったお金を運用しなきゃいけないんで、その一部が国債に回ってるんですね。
ということは、預金、年金、保険で資産運用してる、資産持ってる人たちはかなりの部分が最終的には国債にお金が流れていて、その国債自体が、今金利がすごく下がっていて、価格が上がってるってことは高くなってるっていうことなんですね。もっと高くなればいいです。もっと高くなるためにはもっとマイナス金利にならなきゃいけないわけですから、そう考えると、そういうものだけに資産を集中させているっていうのは、安全なように見えて、実はちょっと、大丈夫なんですか? っていうところも気を付けておいたほうがいいかなと思いますね。

大城  ということは、銀行や保険、そういうところに預貯金するっていうのはちょっと危険ですよと。

内藤  もちろん、全部をそこに置いておくと、これ、リスクを取らないリスクっていうことなんですけど、何にもリスク取ってないと思ったらすごいリスク取ってるっていう。だから預金とね、保険と年金とでがっちり資産形成してますっていう男性と、FXと株でね、バンバンやってますっていう男性がいたら、例えば女性の方でしたら、どっちがね、結婚相手としてふさわしいかなっていうと、やっぱり…。

大城  預貯金。

内藤  預貯金と思うじゃないですか。

大城  そうですね。

内藤  でも、もしかしたら、この人たちのほうが危険かもしれないっていうね。で、大事なのが、一つの資産に集中させないで、アセット・アロケーションの考え方ですけど、いろんなものに分散させるってことが大事なんですが、ただ、預金、保険、年金っていうのは分散されてるかなと思うと、実は、最終的には国債っていうものに、最終的に繋がってるとすれば、あんまり分散してないのと同じで、全部、国債、国債、国債ってなってたら、実はこれ、国債に集中してるっていう話にもしなれば、それはちょっと、もうちょっと違うものにもね。預金ももちろん持ってていいんですけど、預金以外にも株とか、債権とか、不動産とか、いろいろ、他のものにも資産を分散させるっていう考え方が重要だと思うんですね。

大城  やっぱり、世の中で結構リスクを取りましょうということは言われるんですが、先生がおっしゃられている、リスクを取らないリスクっていう言葉も、あまり聞かないと言いますか、ピンと来ないと思うんですけれども、じゃあ、一般の人がリスクを取らないリスクを理解するために、何かできることってございますでしょうか。

内藤  そうですね。ですから、例えば仕事でもね、例えばじゃあ、営業マンの人がいたとして、例えば訪問営業して、ピンポーンってやると大体断られますよね。100件行って多分99件は断られますよね。断られるリスクあるから訪問、ピンポン押すのやめようかなっていうのは、営業マンとしてはまさにこれ、リスクを取らないリスクですよね。

大城  分かりやすいです。

内藤  だから、ビジネスをやるときって必ず、失敗するかもしれないけど成功させようと思って頑張ってやるわけですから。会社でもそうですね。これはちょっと、このビジネスは危ないよとか、ここは不確実性があるよとかね、中国に進出するの危ないよとか全部言ってたら、全く何も出来なくなっちゃって。

大城  何もしないのは、そうです。

内藤  何もしないっていうと、実はそれ、すごい会社にとってリスクだから、それと同じで、やっぱり資産運用も、お金持ってるのに何もしないで預貯金に置いといたりするほうが実はインフレのリスクとか、そういうものがありますよっていうことですね。

対談1

 

大城  なるほどですね。はい。で、その資産運用を考えたときにですね、皆さん、まず動くのは、書籍を買われたり…。内藤先生の、金融のプロである内藤先生、ずっと金融の畑にいらっしゃった。しかもイギリスを知っているっていう方じゃないセミナーや書籍っていうのはたくさんあると思うんですね。
で、そこでいろんなミドルエンド、バックエンドっていうのがあるかと思うんですが、そこに先生が書かれている無料相談に群がると。そこで、いわゆる、言葉悪いですけどカモにされることもあるっていう、その危険性なんですが、どういうのが逆にいいのか、どういうのが危険なセミナーなのかっていうのは先生。

内藤  そうですね。まず絶対とかね、必ずとか、すぐにとか、簡単にとか、こういうのは大体、そんなにおいしい話ってなかなかないんで、絶対儲かる8パーセントとかね、明らかにもう、ちょっと怪しい話だなと思ったほうがいいですし、それからあと、一番いいのはセミナーやってる人に「あなたは買ってますか」って。
「この不動産、フィリピンいいですよ」って言ったら「じゃあ、あなた持ってるんですか」って言うと、「いや私は買ってません」って、なんで? 「人に勧めるのに自分は買わないんですか」って突っ込んでみるとか。あとは、そうですね。やっぱり経験がなかったりとか、そういう人よりは実際に実績を出してる人っていうことになると思うんで、ファイナンシャルプランナーに相談するときでも、自分よりお金持ちの人に相談したほうがいいんじゃないですか。例えばお医者さんでね、不健康なお医者さんって相談したくないですし…。

大城  そうですね。

内藤  ライザップのトレーナーで太ってる人って嫌ですよね。やっぱりね。自分がまずやったほうがいいんじゃないですか、みたいなのあるんで。ファイナンシャルプランナーもね、私はお金あんまりないんですっていう人になんで相談しなきゃいけないのかなってあると思うんで、その辺はやっぱり気をつけたほうがいいかもしれないですね。

大城  そこで、じゃあリスクを取ろうと思ったときに、大半の人が身近な所で動くっていうのは、外貨預金。今は円安になったり、円高になったりっていうことがあって、今日現在ですね4月8日に撮影させていただいているんですが。

内藤  ちょっと円高になってね。

大城  円高になってますが。円安基調で、政府もそういう日銀のもとですね、政策のもと、そういうふうにやっていくということで、外貨預金がちょっともてはやされてきましたけれども、これは先生、危険なんでしょうか。

内藤  外貨投資の場合は、一番大切なのは為替手数料なんですよね。で、皆さん、外貨預金っていうともう金利ばっかり見てるので、年利何パーとかって見てますけど、為替手数料、ほとんど皆さん見てないんで。実は手数料がすごい取られている場合があって、特に、店頭の銀行の外貨預金っていうのは、例えばドル円だったら片道、買うときも売るときも1円、1円って取られてたりとか、ユーロだったら1円50銭、1円50銭とかですね、ポンドだと4円、4円とか取られちゃうと、8円ね、円安になっても手数料で全部消えちゃうみたいな話になって、全然儲からなかったりするんですね。あとは、外貨預金でも例えば12パーセント、ドル預金ってあって、下に小さく1カ月とかね。

大城  ありますね(笑)

内藤  そうすると、12パーだけど掛ける12分の1だから結局1パーっていうことで。

大城  1パーですね。

内藤  それで為替の手数料、往復2パー取られたら、結局元本割れになっちゃったりするんで、そういうことを考えると、やっぱり手数料っていうことをきっちり計算して、手取りで考えるっていう。

大城  手取りですね。

内藤  で、この本にも書いてあるんですけど、そうすると、実はFXなんかはすごく皆さん、危ないとか危険だと思っている方、いると思うんですけど、あれはレバレッジっていうね、リスクをたくさん取れるんで非常に危ない、危険なところもあるんですけれども、実は手数料はすごく安いんですよね。

大城  そうですね。

内藤  為替の手数料は本当に安いんで、0.4銭とかなんで、外貨預金なんかと比べると何百分の1とかいうことになりますから、FXなんかをうまく使って、外貨預金の代わりにするとかっていう方法もあるんですよね。

大城  なるほどですね。
先ほども、先生がおっしゃられましたけども、自分よりお金持ちの人に相談しましょうと。これ、聞いてみれば、先ほどのお医者さんの例でもライザップの例でも分かりやすかったんですが、相手がお金持ちかどうかって分かんないですよね。

内藤  そうなんですよ。

大城  そこで皆さん、間違われたりとか、躊躇されたりっていうことがあるんですが。

内藤  それ、聞いたほうがいいと思うんですよね。みんなね、お金のこと聞くと失礼だって思う方、いるかもしれないですけれども、でも実は、こちらは相談するときって、全部、自分の手の内、見せるわけですよね。自分は幾ら持ってますって見せるわけですから、相談する人にも、私こんなんなんですけど、あなたはどんな感じなんですかって聞いてみると。
で、教えてくれないっていうことは、ちょっとなんかね、不都合な真実があるのかなっていうふうに思ったほうがいいと思うんですけどね。私はこうやってね、実は私は株が何パーセントでこうやってやってますよって教えてくれる人だったら、すごくね、自分のやってる方法と同じやり方で教えてくれてるのかなと思いますけど、私はちょっと言えないんですけどってなると、なんで隠すのかなって逆に思うのかもしれませんね。

大城  そしたら、ポイントとしてはやっぱり質問したときに隠す人は、ちょっとこの人には相談しないほうがいいという。

内藤  あんまりこうね、秘密主義というか。ざっくばらんに、別にそんなに細かく根掘り葉掘り聞くわけじゃないので、大体じゃあどんな感じでやられてるんですかとかね、金融資産ってどのくらいで運用されてるんですかって聞くと、ちょっと言えないんですとか、いやそれは聞かないでくださいってなっちゃったらちょっとね、都合悪いのかなって思ったほうがいいかもしれないですね。

大城  私も内藤先生のセミナーに参加したときにですね、なんてオープンな人なんだと思ったんですけど(笑)。ベトナム不動産とかですね、あの辺も「先生、お持ちなんですか」って言うと「持ってますよ」って言って、それで、じゃあ僕も買いますと。

内藤  基本的には、自分が買って、まずちょっと人体実験して、で、体にいいなと思ったら皆さんにおすすめするっていう。全部の国の不動産買ったり、株買ったりは無理ですけれども、代表的に、例えば新興国だったら新興国の不動産を実際に買ってみて、自分で運用してみて、そうするといろんなことが分かるんで、これはちょっと危ないからやめたほうがいいなとか、これは大変ですよってなったら「大変ですよ」って言いますし、そういうやり方ですね。

大城  はい、ありがとうございます。あとはやっぱり、短期勝負は損する。新興国も長期で見ないと駄目ですし、日本国内もやっぱり成熟してきてますが、やっぱりどうしても、先ほど先生が簡単とか、こういうのは良くないとおっしゃられたのですが、すぐとかっていう。

内藤  短期で儲かるとかね。

大城  はい。で、皆さんやっぱり、目の前のお金に流れる人が多いんで、そういう謳い文句の人が多いってことですね。

内藤  そのほうが、やっぱり簡単にね、手軽に例えばちょっとギャンブルみたいな感じでポンと増えるとうれしいわけですけれども、でも、短期的に2倍になるっていうことは、もしかしたら短期的にゼロになっちゃう可能性もあるっていうことで、要するにリスクが高いっていうことですね。
急に増えるっていうことは急に減ることもあるわけですから、予想がすごくつきにくくて、カジノで言えばね、赤か黒かみたいなね。ルーレットで張るみたいな、それと同じようなもんですから、当たれば倍になりますけど、外れたら全額没収ですから、そういう投資をするよりは、いろんなところにチップを張り巡らして、で、分散させるっていうほうが、このアセット・アロケーションの考え方に沿った投資の仕方っていうことですね。

大城  はい。そしたら、今の先生のお話を聞いてですね、よし、資産運用、自分も始めてみようっていう方のために、こちらの本(初めての人のための資産運用ガイド)ではいろいろステップ順に書いていただいているんですけども、まず、ステップ1のほうでですね、自分の資産の現状を把握するっていうことを書かれてるんですが、大体分かってない人、多いような気がするんです。

内藤  圧倒的に分かってないですね。大体、物事っていうのは3つのプロセスで全部できるようになってて、まず現状認識するんですね。その次に目標設定するんですね。で、3番目は、この現状と目標の差をどうやって埋めるかっていうことを考える。こういう順番ですね。
だから、資産運用だったら、まず自分が今、どういう資産をどれくらい持っているかを知ると。で、次に、自分はじゃあ将来どれくらいの資産を増やしたいのかとか、どういう資産で運用したいのかって決めると。そしたら、初めてこの差が、2000万円下がりますってなったら、じゃあこの2000万円をどうやって増やすかっていう戦略を、じゃあFXでやるのか、投資信託でやるのか、不動産をするのか、組み合わせるのかっていうことを考えていくわけですけども、ほとんどの人は、その最初のステップ1とステップ2やらないで、いきなりステップ3をやるから間違っちゃうんですね。自分の現状も分かんないし、どうなりたいかも分かんないのに、とりあえず株買うみたいなね。とりあえず儲かる…。

大城  そういう方、多いですね。

内藤  ドルは上がるんですかとかね。日経平均は2万円になりますかみたいにして、で、日経平均買っちゃったりとか、なんか知ってる会社のね、個別の株買っちゃったりとか、そういうことを場当たり的にするんで、そうすると、たまたまそれ、もちろん上がることもありますけれども、でも、それってもともとの現状がどうなってて、どうなりたいかっていうことと全く関係ないんで、ただ適当に走り回ってるのと同じで。
旅行に行くんだったらね、今、自分は東京にいて、例えば札幌に行きたいっていうんだったら飛行機に乗って行けばいいとか分かりますけれども、自分がどこにいるかも分かんないし、自分がどこに行きたいかも分かんないのにとりあえず飛行機乗るっていうのは意味が無いわけですよね。無駄になっちゃうんで。全く逆の方向行っちゃったらまた戻らなくちゃいけないわけですから。

大城  そうですね。

内藤  そう考えると、まずステップ1とステップ2をちゃんとやるっていうことが、全てにおいて重要なんですよね。

大城  ただ、日本の場合はですね、そういった教育を、例えば老後までなのか、定年までなのかちょっと分かりませんが、受けてきてないと思うんですが。

内藤  そうなんですよね。

大城  その人たちはどのように整理していけばいいんでしょうか。

内藤  そうですね。だから、例えば一番大きなのは、皆さん、老後の不安があるっていう方が多いと思うんで、じゃあ老後の不安だったら自分が老後って、60なのか、65なのか分かりませんが、じゃあ65だとしますよね。
で、65歳だとすると、例えば85歳まで生きるとして、20年間あるわけですから、20年間で例えば年金プラスα、大体10万円くらい足りないっていう方が多いですね。10万円っていうことは年間で120万円ですから、120万円で20年間っていうことは2400万円ですね。
ということは、65歳のときに2400万円の現金を持っていれば、毎月10万円ずつ切り崩していっても、20年間は年金プラス10万円の生活ができるっていうことになりますから、じゃあ、とりあえず65歳までに2400万円っていうのを目標にして、で、今、40歳だったら25年間で、今300万円だったら、あと2100万円どうやって作るのかみたいな、そういう戦略を立てていけばいいですね。

大城  はい。非常に分かりやすいですね。

内藤  そうやってまず具体的に作って、やってみて、もし、やっぱり2400万円じゃちょっと足りないな、やっぱり3600万必要だなって思うんだったら、また目標を3600万に上げて、そしたらもうちょっと貯金をたくさんしなきゃいけないとか、運用の方法を少し変えてやってみるとか、いろんな方法があると思いますんで、それを考えていくっていうことで、まず、どういうお金が必要なのかっていうことだと思うんですよね。

大城  はい。その資産運用の中でですね、その2400万円を作っていく、3000万を作っていく中で、預貯金だけでは駄目ですので、やっぱり何らかの形でお金を動かしていく、この低金利の時代ですね。それプラス、リスクがあるから動かす必要があると。その中で、先生が勧められているひとつに、投資信託があるんですけれども、この理由を、投資信託っていうとイメージ、要はタコ足をっていう。

内藤  毎月分配ですね。

大城  はい、とかっていうのがあるんですが、ちょっとマイナスのイメージを持たれている方もいらっしゃると思うんですが。

内藤  そうですね。投資信託っていうのはいろんな種類があるんですけれども、私がお勧めしているのは、いわゆるインデックスファンドっていわれてる。

大城  インデックスファンド。

内藤  インデックスって何かっていうと、例えば日本株だったら日経平均とか、トピックスとか、そういうね、平均値に連動して上がったり下がったりするっていうものなんですけど。普通の方っていうのはみんな、アクティブファンドっていって、個別の銘柄を、上がりそうなやつを選んで投資するって、こういうファンド、これ、インデックスファンドじゃなくてアクティブファンドって言うんですけど。

大城  アクティブファンド。

内藤  アクティブファンドっていうのは、手数料がすごい高いんですね。年間の管理料が。1.5とか。

大城  私、銀行に勧められて買ってます。

内藤  そういうのはもう大変なことになっていると思います。

大城  カモられてますか。

内藤  で、そういう方って信託報酬ってコストが幾らか知らないんですよ。

大城  知らないです。

内藤  知らないですよね。で、実は1.8とか、1.5とかあるんですね。

大城  そんなに取られてるんですか。

内藤  で、インデックスファンドっていうのは大体、今だと0.3とか0.4みたいなのもあるんですね。

大城  多分、私ですね、インデックスとアクティブ、両方分けてるんですが、じゃあ手数料が違うということで?

内藤  それぞれの投資信託の種類によって、これは1.5です、これは1.8です、これは1.3です、これは0.7ですってあるんで。

大城  なるほど。

内藤  例えば、1パーセントっていうことは年間で1パーセントなんで、100万円持ってると1年間に1万円、手数料払ってるんですね。でも、振り込んでくださいじゃなくてファンドの中から抜かれてくんで見えないんですね。気が付くと99万円になってる。

大城  目減りしてるんですね。

内藤  目減りしてるんです。鉋で削るみたいにだんだん削られていくんですね。

大城  そういうことなんですね。

内藤  そうすると、削られる度合いが低い方が、もちろん、手数料ゼロっていうのはないんで、削られる度合いが低いほうが良くて、それはアクティブファンドよりもインデックスファンドのほうが一般的に手数料がまず低いっていうことですね。
それから、アクティブファンドっていうのは、インデックスに勝てるファンドって意外に少ないんですね。自分で頑張って選んでも、結局平均より下になっちゃうんで、そこは、最初からコストの安いインデックスファンドを使って投資をしたほうが結局、損しにくいっていう話になって。

大城  そしたら、今でしたら例えば225とかそういうのが。

内藤  そうですね。それが例えばアメリカ、例えば先進国の株とか、日本の債権とか、新興国の債権とか、それぞれの投資の対象によって、全部インデックスファンドっていうのは、全部あるんですね。
日本株のインデックスファンド、先進国の株のインデックスファンド、新興国の株のインデックスファンドって全部ありますので、これを全部組み合わせて、インデックスファンドの組み合わせをするっていうふうにすると、手数料が年間の信託報酬っていう管理コストが多分0.6とか0.5くらいまで抑えられて。で、しかもインデックス運用なんで勝った、負けたっていうのはないわけで、平均点なんで、全体が上がれば自分も上がるし、全体が下がれば自分も下がるっていう形になります。

大城  世界株式は上昇傾向ですよね。ずっと。世界で見ると。

内藤  そうですね。上がったり、下がったりしますけど、やっぱりリーマン・ショックで下がっても元に戻ってくるという形になりますし、株式っていうのは基本的に、企業が成長していく中で株価が上がっていくので。日経平均はね、まだバブルのときの高値まで戻ってませんけれども、いずれまた上がってくる可能性もあると思いますし、どれが上がって、どれが下がるか分からないんで、それはまた先進国、新興国、株、債権、リートみたいな、全部アセット・アロケーションしてやっていくと、大体、例えば1パーセント、年間コストが下がれば100万円運用してまた1万円ね、手数料が節約できるんで、それをひたすら持って、じっくり上がっていくのを5年、10年待っていると。

大城  やっぱりそしたら、忘れちゃうほうがいいんですか。

内藤  忘れたほうがいいです。

大城  例えば、日経225買いました。例えば年始であれば1万6000円、7000円くらいだと思うんですが、今日現在、多分1万4000円から1万5000円くらいですね。であれば、気持ち的にしんどいといいますか、私も225持ってますし、日経新聞を毎朝ペーパーで読むんですけども、見ないようにしてるんですね。凹むんで。

内藤  見なくていいです。

大城  見なくていいですか。

内藤  あとは、投資信託の場合は積立ができるんですね。とすると、例えば毎月1000円とか、2000円とかできますから。

大城  いわゆるドルコスト法。

内藤  ドルコスト平均法ですね。これを使えるっていうこともあるので、そうすると、コツコツ自動的に買っていって、世界中のいろんなものに分散させて、で、インデックス運用っていういのであまり巻きにくいものにして、しかも、コストを下げるっていうやり方でやると、それで資産を作っていけば、定期預金なんかでやるよりは多分、資産が増えるスピードっていうのは早いんじゃないかなと思うんですね。

大城  それは多分、ご存じない方がほとんどだと思うんですが。

内藤  これでも、やっぱり時間がかかるんで、例えばこれで3カ月やったら増えるんですかって言われると、例えば1月からね、今年始めた人は今、多分減ってますよね。

大城  減ってます。

内藤  でも、そこでやめないで、また4月も買って、5月も買って、6月も買ってって買ってると、また上がったり下がったり、上がったり下がったりしますから、そうすると、いずれまたね、上がってきたときに、安いときにたくさん買うんですね。ドルコスト平均法ですから。そうすると、それが、コストが平均で下がるんで、儲かりやすくなる。

大城  結局上がったときに儲かりやすくなると。

内藤  儲かる可能性が高いという話ですね。

対談2

 

<アセットアロケーション>

大城  先ほどの投資信託の中で、いろいろありますよという中で、世界であったり、日本であったり分散していくっていうところに、先生が提唱されているアセット・アロケーションっていうのがあると思うんですが、ここで、ちょっと詳しくアセット・アロケーションというものは何なのかと、これをちょっと理解していただいたら、かなりお得じゃないかなと。

内藤  そうですね。

大城  はい、お願いいたします。

内藤  アセットって資産で、アロケーションなんで配分っていうことですから、資産配分っていうことなんですけれども。皆さん、投資をするときっていうのはうまくいく人と、うまくいかない人があると思うんですけど、じゃあ、うまくいく人、うまくいかない人の差は何で決まるか。もう三つしかないんですね。

大城  三つ。

内藤  ほぼ三つで決まります。一つは銘柄選択。

大城  銘柄選択。

内藤  例えば、値上がりする会社をね、持っていましたと。じゃAppleがすごく上がっていく、Apple持っていました、持っていませんでした。そうすると差がつきますよね。銘柄選択の差ですよね。

大城  銘柄。はい。

内藤  それから、投資のタイミング。

大城  タイミング。

内藤  例えば、すごいガーンと下がったところでザッと買えた人はタイミング良く買えるし、高値で買っちゃった人は失敗しましたね、みたいな話になりますよね。で、三つ目がアセット・アロケーションっていう。

大城  アセット・アロケーション。

内藤  どこに何パーセント資産配分したか。この三つでほとんど決まるんですよ。だけど、この三つのうち、80パーセントはアセット・アロケーションなんですよ。

大城  今、先生、お聞きしていますと、銘柄、タイミング、アセット・アロケーション。で、ぱっと聞くとアセット・アロケーションが一番難しそうで、なのに、これが80パーセントを占めるわけですか。

内藤  これが8割を決めるんですね。だから、銘柄を一生懸命選んだりとか、日経平均が下がったところで買ってやろうとか、円高になったら外貨預金しようとか、そういうタイミングをいろいろ考えても2割くらいしか関係ないです。

大城  というのは、それを掴みきれないという意味でしょうか。

内藤  それをやっても、あまり意味がないっていうことですね。

大城  意味がないんですか。

内藤  だから、そう考えると例えば、テストのね、受けるときに80点分は、100点のうちね。アセット・アロケーションの問題が出て、残りの20点はタイミングの問題と銘柄選択の問題が出ますって言ったらアセット・アロケーションしか勉強しないでしょう。

大城  そうですね。間違いなく。

内藤  20点のために勉強する人、いないでしょう。

大城  そうですね。

内藤  ここ80点だけ完璧にやれば80点取れるから。だから、銘柄選択とかタイミングに、一生懸命『会社四季報』読んだりとか、いろんなマネー誌見たりしてやっても、あんま変わらないです。それ。

大城  まさに、そしたらできるか、できないかよりも、知っているか、知らないかという。

内藤  そうなんですよ。

大城  違いですね。

内藤  だけど、アセット・アロケーションとタイミングとか銘柄選択の一番大きな違いは、銘柄選択とかタイミング選ぶのは面白いんですよ。

大城  そうですね。

内藤  楽しいですよね。

大城  楽しい。

内藤  酒場でね、酒飲みながら、ワイン飲みながら「俺、昨日買った株、上がってさ」とかね「これからちょっと円高になると思うよ」とか「アベノミクス、もう終わったね」みたいな話、面白いじゃないですか。

大城  面白いですね。

内藤  でもそこでね「俺、アセット・アロケーションの比率ちょっと変えようと思ってさ」って言われても、ほとんどの人がね、何ですかそれみたいな。アセットなんとかって何?みたいなね、話になるんでつまんないんですよ。
だけど、つまらないのが実は一番効果があって、だから、楽しい投資をしたい人は銘柄選択とかタイミングのことばっかりやってればいいですけど、儲かる投資したい人はこっちもう捨ててアセット・アロケーションに集中したほうがお得なんじゃないかと僕は思うんですよね。
なんで、僕は基本的に銘柄の推奨とか、タイミングは考えないと。考えてもあまり価値が無いと。その時間もったいないんで、8割のこっちにもう時間を割いて、あるいは金融資産以外の不動産とかそういうものは銘柄を選ぶことっていうのに価値があるので、そっちに時間を割くっていうふうにしているんですね。

大城  結局、ただですね、ここで難しいなと私が単純に思ったのは、例えば、私はスポーツ推薦で大学まで進んでいったんですけども、要は、楽しい部分しかしてなかったんですね。この80パーセントが大事だと。
就職のことは大体高校3年生で、インターハイ、国体終わったくらいから意識しだしたんですけども、でも、勉強されている進学校の方とかはその80パーセントのほうを見ているわけですね。私たちは20パーセントのほうを見ている。で、東京大学とか入られる方っていうのは、この80パーセントの出るところを研究しているわけですよね。いわゆる。

内藤  ヤマを掛けて、ちゃんとね。出るところをきっちり押さえるっていうことですね。

大城  で、そこがやっぱり、日本一狭き門の東京大学を出られてるんで、先生はその80パーセント、アセットの…。

内藤  そういうわけではないですけどね。

大城  要は、僕は学歴コンプレックスがあるんで、すぐ東大、東大って言っちゃうんですけど(笑)。その80パーセントは、例えば先生のセミナーとかに行けば教えていただけるんですか。

内藤  で、実はそれはそんなに難しい話じゃなくてですね、アセット・アロケーションってルールをある程度知ってしまえば、例えば本をちょっと読んでいただければ、ある程度のことはすぐ分かるんですけども、ただ、ほとんどの人はそういうマネー教育みたいなものを全く受けたことがないんで、例えば、投資を始めましょうっていうと例えば外貨預金とか、株のね、個別の銘柄で何買うの?みたいになると、最近ね、お弁当がおいしいからここのコンビニとかね、最近あそこの売り場がすごい賑わってるからあの車とか買うじゃないですか。
でも、それをやっても、さっき言ったインデックスっていうのにはほとんど勝てないんですよ。8割くらいは負けてるんですね。そうすると、そういうなんか楽しい投資ね、株主優待がもらえるとか、配当が高いとか、いろんなそういうので選んでやりますけれども、そういうことするよりは、つまんないけれどもインデックスっていうね、平均に連動する地味なものを買って、積立しといてほっとくと。

大城  実際、先生もそれをされてるわけですか。

内藤  やってます。ずっと積み立てしてます。リーマン・ショックがあってもずっと、日経平均が7000円になってもずっとやって、やってると、1万円超えてきたくらいのところから急にプラスになってわーってなってきて。

大城  リーマン・ショックのときも先生、買われてたってことですか?

内藤  買い続けましたね。

大城  もうじゃあウハウハですね。もうすでに。

内藤  ウハウハ、まあそうですね。ただ、リーマン・ショックの直後にガンガンガンって1万円割れ、8000円、7000円って下がってきたところで、じゃあ自分でボタンをカチッと押して買えますかっていうと、やっぱり人間ね、誰しも抵抗があるんで。

大城  怖いですね。

内藤  そこで、自動積立なんですよ。自動にしておけば、毎月25日とか30日って決めた日に3000円、3000円、3000円ってずーっと落ちていくんで、見なくても落ちていきますから。お金がちゃんと入っていれば落ちていくんで、そうすると、そのときは、うわ、こんなところで買って大丈夫なの?みたいになるんだけど、後から考えると、いやオイシイね、これ、よく買えたなみたいな。

大城  良かったな。

内藤  で、自分で考えるとやっぱ一番いいところで、高いところで買っちゃうんですよね。実は私、早稲田大学でマネー講座やってるんですけど、これ、15年やってるんです。

大城  そうですね。

内藤  15年やってるんですけど、面白いことがあって、受講生の数が増えたり減ったりするんですけど、受講生の変動、数の変動っていうのは、日経平均に連動してるんですよ。

大城  ええっそうなんですか。

内藤  だから、日経平均が上がってくると受講生が増える。

大城  増えるんですか。

内藤  日経平均が下がると受講生が減るんですよ。

大城  本来…。

内藤  逆でしょう。

大城  株的にいくと逆ですよね。

内藤  だから、日経平均が下がったときに満席になって、日経平均が上がってきたらガラガラになればみんな儲かってるはずなんですけど。

大城  そうですね。

内藤  日経平均が下がってくると受講生が減るんですよ。それで、そういうときはみんなもう暗い顔してくるんですけど、日経平均が上がってくるとなんかみんなこうね、カッカカッカして…。

大城  よっしゃ、投資するぞと。

内藤  儲かる株はないのか、みたいな感じでくるんですけど、そういうときは満席になって、すごい、みんな顔、紅潮させたような人達が儲かるのはどうやったらいいんですかみたいな感じなんですけど、日経平均7000円のね、リーマン・ショックの後もやったんですよ。もう講座に人が集まらなくて、やめますか今回みたいな話で。
で、そのとき、日経平均多分7000円台だと思うんですけど、みんな真っ暗な顔してくるわけですよ。うな垂れたような顔して、もう損してるんですとかって言って。みんな、信用取引で売りから入るにはどうしたらいいんですかとか、日経平均は3000円に落ちるって誰かが言ってますけど本当でしょうかとか、アメリカの経済は崩壊するって言ってますけど本当でしょうかみたいなね。そういうこと、真剣に聞いてるくらい。でも、実はそのときに買ってれば、もう今ね、今、下がったっていってもまだ倍くらいになっていますから。

大城  そうですね。

内藤  そういうときに来た人はもっと悲観的なこと考えてて。だから、人間はそうやって感情でやると結局、高いところで買って、安いところでシュンとして黙ってるみたいな。これ、いつまでたっても儲からないですよね。
だったら、高いときも安いときも淡々と自動的に買って、買って、買ってってやってれば、平均的にはね、この辺で買えますから。一番底では買えないですけど、平均、単純平均よりはドルコスト平均法のほうがちょっと低く買えるんで、そこもこうなってると結局ここで買えますから、こうなればここで儲かりますよね。そういう理屈なんですよね。で、狙ってここで買っちゃったら、永遠にここまで戻らない限りね、勝てないですから、それはやっちゃいけないんじゃないかなと思うんですね。

大城  そこで、皆さまに勇気をいただきたいんですけども、この金融のプロである内藤先生でも、感情を入れると?

内藤  駄目です。

大城  駄目ですか。

内藤  駄目です。

大城  やっぱり…。

内藤  昔、そういうことはよくやっていましたから。

大城  そうなんですか。

内藤  最初に投資したときは、株、自分で銘柄選んで買ったんですよ。まだイギリスの会社に入る前でして、自分で株買って、すごい上がったんですよ。4倍くらいになったんですよ。ちょっと仕手株みたいなの買っちゃったんですけど。知らなくてですね。で、すごいなと思って。天才だと思って。バブルの頃ですね。大体、ほとんどの株上がってたんで、誰でも儲かったんですけど。
それで、そのときに、僕、1989年から2年くらい、ちょっと海外に行ってたんですね。で、行く前に売っときゃ良かったんですけど、これ10倍は軽くいくなと思ってほっといたんですよ。で、まだほら、インターネットとかなかったんで、全然株価とか分かんなくて、で、日本に帰ってきて、あれそういえば幾らになってるのかなって、どのくらいになってるのかなっていったら、買ったときより下がっていました。
結局大損しちゃって、半値以下くらいで泣く泣くっていうか、株やるのやめようと思って、全部売っちゃったんですけど、そういうこともあるんですよね。だから感情的にやるとね、そうやっていいときはいいですけど、2倍になると4倍になって、4倍になると8倍になってみたいに思うじゃないですか。永遠に上がると思うじゃないですか。それがね、危険なんですよね。そこでまた高いところで買い増ししちゃったりする人、いるじゃないですか。そうするとね、最後ドーンと落とされて結局大損しちゃうみたいな、なるんですよね。

大城  感情を入れるなということですね。

内藤  そうです。機械のようにやると。

大城  機械のように。

内藤  機械のようにやるよりは、機械に任せる。

大城  もう任せちゃうということですね。自動引き落としにしちゃうということですね。

内藤  はい、そうですね。

大城  で、今、お話の中でもありましたけども、今はもう国内のみならず海外もいろいろ投資できるようになってきたんですけども、その中で先進国と新興国、どちらに投資すべきですかっていう。

内藤  これは、そうですね。結構難しいんですけどね。どっちもどっちっていうところが結論なんですけれども。成長率は当然、新興国のほうがあるんですけれども、ただ、新興国のほうがやっぱりリスクとか、不安定性があるので。例えば6パーセントとか5パーセントで成長していれば、10年たったら6割とか7割とかGDPが上がってくるんで、そういう国っていうのは、長期的に投資をしていく価値があると思いますから、お勧めなのは半分、半分。両方。

大城  新興国と先進国を半分、半分で。

内藤  逆に、新興国が今、ちょっとやばいよとか、ちょっと危ないですねとか、新興国ブームが去ったみたいなときがいいときなんですね。

大城  狙い目なんですね。

内藤  逆にもう今、新興国が熱いみたいなときは、さっきの話じゃないですけど、一番こうね、みんなが殺到してるときなので、逆にそういうときはちょっと手放して、みんなが駄目だっていうときに逆に買うとか。それができれば世話ないんですけどね。

大城  それはもう、政治的なものは無視してということですか、先生。

内藤  そうです。だから、例えば世界経済の影響なんかすごく新興国、受けますので、アメリカが利上げをすれば新興国も経済に打撃があるみたいなことがあったんで、それで新興国がちょっと下がってますけれども、そういうときって逆に、実は経済は全然調子悪くないのに、そういう話だけで株価が下がったり、不動産の値が下がったりみたいなことがあれば、それはチャンスっていうこと言えますよね。

大城  今は、オリンピック前のブラジルのレアルなんて…。

内藤  とかもね、そういうのね、やられてますよね。あれもちょっと政治的な問題もあったりもしますけれども、でも、逆にそういうね、それだけ下がってきてるっていうことは、相対的に見れば、割安になって魅力が出てきてるってことも言えますから。

大城  そうですね。

内藤  ロシアなんかもですね、原油の値段次第の話ですけれども、ルーブルがすごい下がってね。でも逆に言うと、もしかしたらルーブルを少しずつ買っていくチャンスかもしれませんし。

大城  そうですね。

内藤  そういうふうに、逆に見たほうがいいかもしれないですね。

大城  で、その中でですね、やっぱり皆さん、軍資金が限られてる方も結構ある方もですね、投資をしようと思っていらっしゃる方もいらっしゃるんですが、先生が言われているのは、お金のある人がよりお金持ちになる理由ということで書かれてるんですが、やっぱりお金のある人のほうがお金持ちに、どんどんなっていきやすい?

内藤  なりやすいっていうのあると思いますね。それはなんでかっていうと、やっぱりお金を持っている人っていうのは、投資する金額も大きくなってきますから。

大城  大きいですね。

内藤  そうすると、例えば手数料が安いとか、そういう、なんですかね。やっぱりメリットがあるわけですね。それからもう一つは、やっぱりお金があるっていう人のところにはいろんないい情報が集まってきますから、そうすると、普通の人には入ってこないような情報が、こっちから行かなくても、向こうから「少し投資しませんか」とか。
もちろん、ちゃんとした話に、選ばなきゃいけないんですけども、やっぱりなかなか、資産がある人だけしか入ってこないような情報っていうのありますので、そういう川上の情報にアクセスできるようになるっていうところは差がつく要因じゃないかと思いますね。

大城  利回りですとか、成長率っていうことはたくさんの方が言われるんですが、先生のお話をお聞きして、手数料のお話って何度が出てきたと思うんですが、それを言われる方って、ほぼほぼ私は聞いたことがないんですね。

内藤  そうなんですね。これはやっぱり手数料の話をすると都合の悪い方が結構いらしてですね。

大城  そういうことなんですね。

内藤  はい、ですから、例えばネット証券のほうが手数料が安いですね。普通の証券会社に比べれば。でもね、普通の証券会社のお仕事されている方は、なかなかね、そういうこと発言しにくいですし。

大城  そうですね。

内藤  銀行のね、お仕事されている方は窓口で投資信託買ったほうがいいですよって言うと思いますけども、じゃあ、あなたは買ってるんですかみたいなね、そういう話になっちゃうと思うんですね。

大城  はい。あとは、お金というのはよく言われる言葉ですが、レバレッジが掛けられているっていう中で…。

内藤  そうですね。

対談3

 

<お金を借りる力>

大城  先生が触れられているので、お金を借りる力ということを触れられてるんですが、この辺りをちょっと教えていただきたいんですが。

内藤  はい。分かりました。今、さっきまでお話ししていたのは、いわゆる投資信託っていう、持っているお金、例えば貯金とか預金を、そういうものに振り分けてアセット・アロケーションして分散させて投資しましょうっていうやり方なんですけれども。
実は、人間の持っている能力っていうか、資質っていろんなものがあって、資産を持っているっていうのもその人の能力の一つですけど、お金が借りられるかどうかっていうのもね、その人の能力の一つで、それは何によって決まるかっていうと、働いている人の場合は、どこに勤めているかってことで決まるんですね。

大城  そうですね。

内藤  信用がある会社に勤めているかどうかっていうことで、例えば公務員とか、大手の一部上場の企業とかに勤めている人っていうのは、本人とは関係なく、会社に所属している限りは信用があるわけですね。

大城  そうですね。信用力が高いって言いますね。

内藤  そうするとその人たちは、お金、銀行がどんどん貸してくれるわけですね。勤めている会社の信用で貸してくれるんですね。そのお金を借りる力を住宅ローンとかに使わないで、不動産投資に使ったらどうですかっていうのが、このレバレッジを掛けた投資の仕方で、さっきの投資信託の分散、アセット・アロケーションするっていうのはAコースだとすれば、こっちはBコース。

大城  Bコース。

内藤  どっちがいいっていうよりは、それぞれのいい点、悪い点があって。

大城  それも含めてアセット・アロケーションでもあるわけですか。

内藤  そうですね。この両方をやるっていう方法もありますし、例えばBコースだけやって、Bコースで入ってきた例えば不動産のお家賃を使って、そのお金をAコースに入れるとかってありますし、Aコースである程度頭金を作って、それができたら、それをBコースの頭金にして買うっていう手もありますし、両方組み合わせて私はやっていますけれども、それぞれいい点、悪い点っていうのがあってですね。なので、Bコースを最初からやるって手もあると思うんですね。

大城  今、先生がおっしゃられたみたいに、一般的な日本人の方っていうのは、住宅ローンの借り入れは、いわゆる悪くない。でも、それ以外の借り入れはなんか悪いものだっていう。

内藤  借金イコール悪ですね。

大城  そうですね。

内藤  そうなんですよね。だからそれは、実はあんまり正しくなくてですね、いい借金と悪い借金の違いは何かっていうと、投資のための借金はマルですと。

大城  投資のためはマル。

内藤  消費のためはバツ。

大城  消費のためはバツ。

内藤  例えば、自動車ローンを組んで外車を乗る。これ、消費ですよね。

大城  そうですね。

内藤  投資じゃないですよね。価値どんどん下がっていくから。だからこれはバツですよね。じゃあ、マイホームってどっちかっていうと、投資じゃないですね。消費ですよね。

大城  そうですね。価値は下がっていきますね。

内藤  だから、マイホームを買うための住宅ローンは、実はバツなんですよ。だけど、なんでみんな、住宅ローンはいいと思っているかっていうと、それは、今までの高度経済成長期は、みんな家買って、ローン借りて、そしたら家の値段が上がって、ローンの返済の負担が減って、インフレになってっていう。

大城  そうですね。

内藤  成功体験があるんで。とにかくね、結婚したら郊外に家を買って、住宅ローン組んでせっせと返せば、定年のときに、ちゃんと庭付きの一戸建てが手に入りますよみたいなね、そういう時代があったんで、その名残でいまだにね、家を買いなさいっていう親がそういうふうに言ったりするわけですけど。今の時代ってそんなね、東京ね、7都府県くらい以外でもう人口がどんどん減って、不動産の値段も下がってるわけですから。そうすると、そんな消費のために住宅ローンを借りるっていうのは、20年前とか30年前の発想で、むしろ今、それを、お金を借りる力を投資に使うんだったら、一つの方法としては例えばワンルームマンションを買うとか、不動産投資を、アパート経営するとか、そういう方法があるっていうことですね。

大城  ちなみに、先生のご自宅はそうしたら賃貸にお住まいに。

内藤  賃貸ですね。

大城  もう買う気はなし?

内藤  買ってたこともあるんですけど、やっぱり賃貸のほうがいいかなと思って。で、そのお金を借りる力を不動産を投資することに…。

大城  不動産投資に。

内藤  使ってますね。

大城  あと、不動産投資を勉強してみようっていうことで、レインズに出てる情報とかですね、あと、実際、不動産屋さんに行ってペーパーをめくってっていう勉強を始めてる方も多いと思うんですが、そこに載ってる数字っていうのは、結構、利回り何パーとかっていうのが書いてあると思うんですが、そこではなくて、先生、「利回り差」という言葉をこの本の中で使われているんですけれども、これをちょっと教えていただきたいんですが。

内藤  そうですね。例えば、じゃあ8パーセントの物件と5パーセントの物件があったとすると、みんなやっぱり、8パーセントの利回りの方がいいなって…。

大城  そうですね。

内藤  きっと思うんですね。

大城  思います。

内藤  だけど、現金で買うのはもちろんそうなんですけれども、例えばカンボジアの不動産って今、8パーセントくらいなんです、利回り。で、日本の東京のワンルームだと大体5パーセント弱くらいなんですけども、そうすると、現金で買うんだったら為替の問題を考えないとすると、カンボジアに買ったほうが、日本に買うよりも3パーセント利回りいいねっていうふうになると思うんですけども。

大城  なります。

内藤  でも、カンボジアで住宅ローンってローン借りると、金利が10パーセントなんですよ。ところが東京で、日本の国内で不動産のローン借りると今2パーセント以下ですよね。そうすると、カンボジアの場合は利回り差っていうことでいうと8マイナス10だからマイナス2なんです。

大城  マイナス2ですね。

内藤  ところが東京だと、5マイナス2だと、3ですよね。そうすると、お金を借りて投資をするんだったら、実は東京のほうが有利っていう理由ですね。これは利回りの、だから、借入金利と不動産の賃貸利回りの差ですね。これを利回り差っていうふうに言うんですね。

大城  そしたら、不動産投資をしようと考えている人は、自分が金利何パーセントくらいで借りられるのか…っていうのを知っておく必要がありますね。

内藤  そうですね。結局、利回り差によって例えば全然自己資金が少なくても、ほぼ全部借り入れして、多分、フルローンっていうね。

大城  はい、フルローンで。

内藤  100パーセント借り入れをして買うとかっていうこともできますから、そうすると、その金利差分だけ利益としてキャッシュフローを得ることができる可能性があるということですね。

大城  これは、フルローンっていうのはお勤めの方でも可能なんでしょうか。

内藤  そうですね。それは銀行によってもできますし、あと、ワンルームマンションなんかでしたら、自己資金が10万円とかでほとんど借り入れを使って…。

大城  そうなんですね。

内藤  することもできますんで、それで毎月毎月、家賃の収入とローンの返済の差額をキャッシュフローとして手に入れるってことができますので、これは一つの手ですよね。

大城  こういうときもやっぱり、ファイナンシャルプランナーの人や、そういった専門家にやっぱり相談したほうがいいんですか。銀行さんに相談するよりも…。

内藤  そうですね。実際の不動産を、物件を紹介しいている会社がローンもちゃんと紹介してくれたりするので、それは、そちらに聞いたほうがいいと思いますし、実際、ファイナンシャルプランナーの方で不動産投資してる方が実はあんまりいなかったりするので、そうすると、あんまり聞いてもね。

大城  そうなんですか。知らない話ですね。

内藤  知らない話で、アドバイスもあんまり受けられないっていうケースもあるっていうことですね。

大城  分かりました。ありがとうございます。そしたら、前半の部はこの『10万円から始める、初めての人のための資産運用ガイド』を内藤先生に解説いただきました。第一部はこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

内藤  はい。ありがとうございました。

対談4

 

 


 

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